ひどい雨がふりそうなんだ

Bob Dylan - A Hard Rain's A-Gonna Fall 和訳
カーソンは「沈黙の春」で、「人間の叡智」である科学技術が引き起こしていた環境汚染に警告を発した。--------それも、フォークシンガーやビート詩人といった、当時のカウンター・カルチャーの担い手からの警告という形をとったのである。その彼女の取り上げたテーマを歌で世間に伝えようとしたのが、アメリカのミュージシャン、ボブ・ディラン(1941~)の「ひどい雨がふりそうなんだ」(歌詞)であった。その歌は核の脅威と酸性雨による環境汚染を訴えていた。そしてかれは、醜い現実を世の中に知らしめていく決意までも歌い込んでいる。それはかれの社会に対する派生的センス・オブ・ワンダーの感性から生まれたものである。

多田満「センス・オブ・ワンダーへのまなざし--レイチェル・カーソンの感性」2014年 より。

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