酵母が私たちを家畜化した

先日、テレビでヒュ-ーマニエンス「真菌」を見ていたら、つい最近読んだ「菌類が世界を救う」の記述と同じことを説明していたので、この本がネタ元の一つと思った。この番組は私が先端の未知の世界の本を読んだと思うと、似た分野の企画で同じことを説明していることが多い。このとから思うに、この番組の企画者は私と同じくアマチュアだと思われる。
この本で気になった箇所を引用する。
(菌の一種である)酵母は糖がアルコールに変るプロセスにかかわる。文化人類学のクロード・レヴィ=ストロースは、酵母は人類の文化史上もっとも劇的な変化ー狩猟採集から農耕への変化ーにかかわっていると示唆した。かれは、蜂蜜酒ー蜂蜜を発酵させてつくる酒ーが人類初の酒であり、「自然な」発酵から木のウロなどを使った文化的な「発酵」への移行があったと考えた。酒は蜂蜜が「放置されて」発酵する限りにおいて自然の産物だが、人間が蜂蜜を木のウロの入れて発酵させたとすればそれは文化であると言う<<中略>。
現在の出芽酵母に近い酵母は山羊や羊の家畜化と同時期に出現している。約12,000年前のいわゆる新石器革命の時に農耕が始ったのは、少なくとも一因に酵母に対する文化の 反応があったのではないだろうか。人類が遊動生活を捨去って定住社会を形成したのは、パンかビールのためだったのではないか(1980年代以降、パンよりビールだったという説が学者のあいだでにんきがある)。パンとビールどちらの場合も、酵母は人類最初期の農耕によって一番利益を得た。どちらの場合も、人類は自分よりも先に菌類に餌をやる。農耕と関連した文化の発展ー作物の植った畑から、都市、富の蓄積、穀物の貯蔵、新種の疫病までーが。酵母と共有する私たちの歴史の一部をなしているのだ。多くの意味において、酵母が私たちを家畜化したと言えるかもしれない。

kinキャプチャ.PNG

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