「日本習合論」

2020年の内田樹さんの本「日本習合論」を読む。たくさんの本を出されているが、帯に「著者の新たな代表作」と書かれているように画期的な本だと思う。日本人の態度として、異物が侵入したときにそれを排除するのではなく、共存することを選んできたということを、繰返し述べられている。共存するためには、話は簡単には済まず、白か黒かではなく灰色決着になるために葛藤が残る。これは「日本辺境論」の続編のような日本文明論だと思う。あとがきの一部を紹介。
「話を簡単にするのを止めましょう」。それがこの本を通じて僕が提言したいことです。もちろん、そんなことを言う人はあまり(ぜんぜん)いません。これはすごく「変な話」です。だから、多くの人は「そんな変な話は聴いたことがない」と思うはずです。でも、それでドアを閉じるのではなく、「話は複雑にするほうが知性の開発に資するところが多い」という僕の命題については、とりあえず真偽の判定をペンディングしていただけないでしょうか。だって、別に今すぐ正否の結論を出してくれと言っているわけじゃないんですから。「というような変なことを言っている人がいる」という情報だけを頭の中のデスクトップに転がしておいていただければいいんです。それ自体すでに「話を複雑にする」ことのみごとな実践となるのですから。9784909394408_600.jpg

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