交換不可能な存在になる
日常の生活では時間がかぎられているので、ひとはみな必要な情報しか交換しない。だからたがいに、あのひとは何歳で、どんな仕事をしていて、どんな役職についていて、どんな趣味をもっていて、どんな感じのひとでといった類型に分解し、それで交流した気持ちになっている。それどころか、自分自身についても、みずから類型のなかに入り込み、他人からの期待をこなすだけになってしまっている。
その鎧を打ち壊せば、人間はみな自動的に交換不可能な存在になります。そうすると相手は自然と「じつは・・・だった」とあなたを発見してくれるようになります。「余剰の情報」が必要なのはそのためです。
周りに「余剰の情報」の場をつくること、そのために時間に余裕を持つこと。それが訂正の梃子になります。
東浩紀「訂正する力」朝日新書2023年より。
この記事へのコメント