学問の目的は聖人になること
田中:秋田からわざわざ大分の学校に行くこのエネルギーはどこから来るかといえば、やはり学習熱ですね。しかもできるかぎりいい環境のなかで、いい先生に付きたいという思いが強かった。興味深いことに、江戸時代の学問の目的は聖人(立派な人)になることでした。就職や出世が目的で学ぶわけではないんです。人格者になるという目的のために可能なかぎり情報を集めて、遠方の学校に行く。こういう行動をとる人たちが日本全国にいたということは、いまから考えると驚くべきことです。
田中優子・松岡正剛 「江戸問答」岩波新書 2021年 より。
「日本問答」に続く対談集。3部作目は先月出版された「昭和問答」で、それで終わりと思うとちょっと寂しい。
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