原爆を投下したパイロットたちへの取材記録
シュティンメルによると、軍人には”軍隊的自我”というものが存在する。そこでは、親から貰った超自我の代わりを軍隊が務め、軍隊の価値観がその自我を支えている。その結果、文字通り”大義名分”が歩いているような精神構造を持った人間ができあがるという。
踏みにじられた被爆者たちが「申し訳ない」のひと言をエノラ・ゲイのパイロットから掛けられれば(広島原爆投下の最終的決断をしたのはトルーマン大統領だったとはいえ)どれほど絶大な治療になるか(日本のかっての独裁者たちに謝れといっているのではない)。多くの”患者たち”があなたを呼び求めているのですよ、チベッツ先生。
G・V・ウォレビー著 渋谷徹訳「閃光を見た人びと 見上げた者と見下ろした者」新泉社 1985年 より。
‘広島に原爆を投下したエノラ・ゲイの元搭乗員たちと継続的に会い、自らの巨大な破壊行為をどう説明し、どう心理的に処理しているのかを観察し続けてきた著者は、1984年来日し、被爆者たちと面接、40年後の心理的傷痕を追跡。被害者と加害者の双方を取材した記録である。’(新泉社サイトから)
こんな本があることを初めて知った。

この記事へのコメント